Cyclist Welcome Japan

Platinum Lodging

旅館 紅鮎


ビワイチを楽しみながら、琵琶湖で最も美しい夕景を眺めるなら、湖北の東岸、竹生島を正面にみる尾上(おのえ)温泉の一軒宿、紅鮎に宿をとるのが定石といえよう。
紅鮎のある滋賀県長浜市湖北町の夕陽は「日本の夕陽百選」にも選ばれている。沖に浮かぶ竹生島をアクセントに、遠浅になった湖面に葦原が広がり、浮島が点在する湖面で戯れる水鳥たちが夕陽で茜色染まる景色は、1日のライドの締めくくりとして最高のものとなるだろう。


この辺りには、天然記念物オオヒシクイやシベリアから渡来するコハクチョウ、滋賀県の鳥カイツブリなどをはじめとした160種ものたくさんの水鳥が集まるという。そのため、湖岸約2.5kmが水鳥公園として整備され、野鳥センター(2階建の観察施設)や観察小屋、観察路などの設備も用意されているのだ。湖岸のサイクリングロードで自転車を停めて湖面を見やれば、すぐそばで手軽にバードウォッチングが楽しめるという訳だ。


ビワイチの行程としても、琵琶湖大橋付近(ラフォーレ琵琶湖など)をスタート地点とした反時計周りで、走りにくい南湖を避けた北湖一周(約150km)を目指すなら、約65km地点の紅鮎は、1日目の宿泊地として最適な位置にある。
露天風呂から眺める夕景を楽しみに、早めの到着を目指すも良し。余裕があれば、途中で湖岸道路を離れて近江八幡の古い街並みの風情を楽しむ寄り道をしてくるのもよいだろう。
ビワイチのサイクリングコースが、湖の東側で長々と続いてきた湖岸の自歩道を走る形から、車道を走る形へと変わるちょうどその地点のコース上に位置する紅鮎。ここから先はしばらく車道を走ることになり、また琵琶湖一周で唯一の、アップダウンを含む奥琵琶湖の山道が待ち構えている。1日目はここで夕陽を楽しみながらゆっくりと休息を取り、翌朝早めに出発するのが得策だろう。


趣ある紅鮎の玄関をくぐると、威厳ある武将の出迎えに心打たれ、戦国の世に想いを馳せる。(しつらえは季節によって異なるが。)


温泉旅館に泊まりたくとも、ビワイチのさなかに自転車を持ってとなると、難しいのではと思ってしまうもの。
しかし、「サイクリストウェルカム」な旅館 紅鮎では、そんな心配は無用だ。
宿泊者の自転車は、1階食事処奥の窓側のフローリングスペースに、専用のスタンドを用いて保管することができる。思い入れのある大切な愛車。玄関から上がって館内へ持ち込む際には、自ら担いで(軽いバイクはこういう時にも良い)慎重に運ぼう。また、施錠は各自の責任でしっかりとしておきたい。


自転車を置いたら、まずはロビーで大きな窓から静かな湖面を眺めながら、ゆっくりとウェルカムドリンクをいただこう。


紅鮎の客室は、すべての部屋が美しい琵琶湖に臨み、また全室に客室温泉露天風呂と大型マッサージチェアが用意されているというから嬉しいではないか。


近年驚くべき進化を遂げている高機能マッサージチェアに身を預け、湖上に浮かぶ竹生島を眺めてライドの思い出にひたる至福のひととき。沖には、古代から行われてきたという琵琶湖伝統の漁法「えり漁」のしかけ(えり)も見ることができる。


部屋の温泉露天風呂には、尾上温泉の鉄分を含みやや茶色がかった柔らかな湯が張られ、我々の入浴を待っている。
夕暮れの時間帯が、入浴のベストタイムだ。


琵琶湖に映える美しい夕陽を眺めながら温泉に浸かるなら、部屋の露天風呂もよいが、眼前の視界の大きく開けた大浴場の露天風呂から眺める茜色の湖面はまた格別だ。この美しい癒しのひとときのために、湖岸を長々と走ってきたのだ!という喜びを感じずにはいられないだろう。


紅鮎の廊下はすべて畳張りで、スリッパを履かずに素足で歩くことができる。特に、大浴場からあがって廊下へ出ると、きれいに洗った足でベタつくスリッパを履くことなく、素足で歩ける気持ち良さがおおいに実感される。


自身の汗は風呂で流せても、汚れたサイクルウェアの処理は、自転車旅でいつも問題となる点だ。しかも、ビワイチの自転車旅となれば、荷物はできる限り少なくして、同じウェアを連日、できれば気持ち良く着たい。
ここで、またひとつ、紅鮎ならではのサイクリストへのおもてなしに感動させられる。チェックイン後、18:00迄に宿のスタッフに汚れたサイクルウェアを預けてお願いすれば、洗濯、乾燥をしたうえで翌朝に返してもらえるのだ。せっかくの美しく快適な部屋で、汗にまみれたウェアを放置することもなく、翌日もお気に入りのウェアを清潔な状態で着られる嬉しさは、サイクリスト独特のものだろう。しかも、自分の旅の時間を洗濯に費やす必要がないのだからありがたい。


温泉と夕景で、心も身体も癒されたら、いよいよお楽しみの夕食だ。
紅鮎では、希望の食事内容に応じてさまざまな宿泊プランが用意されている。
アユ、フナ、モロコ、イサザ等々の湖魚料理をはじめ、この地ならではの旬の食材を生かして京都で修行した料理長が技を振るう「京風会席」。そして、日本三大和牛の一つ近江牛を、しゃぶしゃぶ、ステーキ、すき焼き、握りとさまざまな料理で味わい尽くす「近江牛づくし」(下写真)などなど。ここでも、心と身体にたっぷりと栄養補給をして、明日のライドに備えようではないか。